山と渓谷の特集に心動かされて、3泊4日で薬師岳と雲ノ平を廻ってきました。
最高の天気に恵まれ、逆に暑さに苦しめられた山行となりました。
午前中に歯医者に行って、12時前にに東京の自宅を出発。
有料道路の東谷線ゲートのリミットが18:00なのでちょっと心配では有ったが17時過ぎくらいに無事通過し、18時くらいには折立に到着。テントを張って寝る。この日は到着時は曇り(霧)、その後ちょっと雨が降った。
売店等何も無いところだが、無料の駐車場の側に無料のキャンプ場が有り、水もトイレも完備している。
折立へのルートは幾つかあるが今回も車で行くことにしたので岐阜県 飛騨市側から飛越トンネル、有峰林道・東谷線を通って行く事にした。富山周りの高速道路ルートも有るようだが行き慣れた奥飛騨からのルートの方が地理感があるのでこちらを選択した。
10日以上前からだと、さわやか信州号という選択肢もある。さわやか信州号の室堂行きが有峰口にも停まるのでそこから富山地方鉄道のローカルバスで折立へ入るルート。これだと車まで戻ってこなくて良くなるので下山先が自由になる。ところが、今年は土砂崩れで有峰林道小見線が通行止めとなり、その影響でローカルバスが運休のため有峰口からはタクシーを使わなくては成らない。さわやか信州号が富山駅に 停まってくれるなら、富山駅から折立の直通バスが出ているが、こちらも通行止めの影響で飛騨側まで廻り込んでの運行となっている。まあ、さわやか信州号は富山駅には停まらないので、この富山・折立直行便は使えませんでした。
今日は薬師のテント場まで上がり、テントを張って薬師往復の予定だった。5:25位に出発。朝は曇りから晴れ。
急登をテントの入ったザックを担いで汗だくで登る。約1.5時間で三角点到着。
三角点を過ぎると見晴が良くなり、急登はほとんど無くなり、整備された道となる。荒れた部分もかなり有るが、まあ楽な道となる。1時間ちょっとで五光岩ベンチ。この頃は快晴。
しばらく行くと、太郎平小屋が見えてくる。
9時頃に太郎平小屋に到着。缶ジュースを買って飲む。折立から約3.5時間の登り。木道部分は歩きやすくてピッチが上がる。
しばらく小屋前でのんびりしてからテント場へ移動してテントを張る。快晴に積乱雲が湧きあがる。
テントを張った後で早速 薬師岳へ登ろうかとしたが、空模様を判断すると山全体的に雲がかかった状態と成っているので眺望は望めそうに無い、今日は薬師岳に行くのを止めることとして、テント場や太郎山周辺を散策する。
後日、テント場の管理人から聞いた話だとdocomoの携帯は太郎山のケルンの場所で使えるらしい。だが私のN905i君は他の人の携帯で繋がるという場所でまったく繋がらなかった。寡黙に圏外と表示しているだけだ。往復1時間くらいかけて確認に行ったのに無駄足であった。機種によって受信能力が違うのでしょう。
薬師平のテント場の水場は水が出ているのは2ヶ所だけだが、非常に冷たいおいしい水が勢いよく出ている。トイレも直ぐ側にあり、管理人が非常によく手入していてくれるので快適なトイレだ。若い大学生くらいの男性だが非常に好感の持てる管理人だった。
管理小屋でキャンプ届(1日500円/1張)を出す。管理人はお昼過ぎから夕方まで居る。この入り口のそばに水で冷やしたビール(500円)やチュウハイ(400円)、ジュース(300円)等が売っているのでワザワザ太郎小屋まで20分の道を歩かなくてもビールが調達できるのは嬉しい。
この数日の天気の傾向が午前中快晴で、午後には雲が湧き上がるという状況のようなので、今日は4時出発で雲ノ平をピストンし、明日も早朝に薬師岳を登って、撤収して下山する計画とする。
昨日はまだ明るい17時くらいからシュラフに入り、持ってきたウイスキーを飲んで、早めに寝る。夜中にトイレに出たが星がびっしりと輝いていた。やはり山での夜空は別格だ。3時過ぎから起き出して、軽く朝食を食べ、持ち物をサブザックに入れて4時出発。谷に下るので朝日はあがらないと見えないが、山が闇の中から浮き上がってくるのは美しい。
今日のコースはガイド地図上では雲ノ平山荘までの行き5:55、帰り5:40の計11:35コース、これを約8時間で往復と想定し、雲ノ平で1-2時間のんびりして計10時間と想定。長いので4時に出て午後の雷雨が出る前までには戻るつもりだ。なので、木道等の部分は早足で時間を稼ぐ。ただし、長丁場なのでオーバーワークにならないように適度にセーブ。朝日が谷にさす頃にカベッケヶ原を通る。カッパが居たそうだが綺麗な場所だ。ほぼ空身に近い荷物なので快調に歩ける。
6時少し前に薬師沢小屋を通過。道は、ここまでは下りだが、ここから一気に雲ノ平に駆け上がる。森の中の滑る石の急登を延々と登ることとなる。
ひと頑張りするとアラスカ庭園へとたどり着く(7:35)。ここから雲ノ平だ。この辺りからは木道となり、一気に歩きやすくなる。また360度、山々の展望を楽しめる。北は剣岳、南は槍ヶ岳、北アルプスの山々に抱きかかえられた雲ノ平ならではの景色だ。
のんびりと歩きながら、まだ人の少ない雲ノ平の景色を堪能する。
そして、8:10頃に建設中の雲ノ平山荘へ到着。ポカリのペットボトルを購入して飲みました。来週には開業再開の予定のはずですがまだ工事は最盛期って感じでして、間に合うのだろうか?
山荘がまだ営業を再開していないので、まだ人が移動してくる前の、この静かな雲ノ平を堪能できたのだと思います。
山荘からキャンプ場辺りまでのんびりと散歩。8:50、ここから引き返すこととしました。
帰りも同じコースだが、のんびりと写真をとりながら帰る。この頃になると途中で追い越した人たちや高天原からの人達が沢山雲ノ平に集まってきた。
後は日差しの強い中、長い長い滑りやすい石の下りと、延々と続く登り返しで、汗だくに成りながら太郎平小屋に14時頃に帰着。ビールを飲んでまったりとした後でテントに帰りました。当然、テント場でもチュウハイなぞを買って飲みまして、今日も早めにお休み。
今日も3時過ぎに起きて、4時出発。テント場からひと登りして、明るく成り出した時に槍が見えました。この日は槍ヶ岳を何度も何度も写真に撮りました。やはり何処から見ても分かりやすくて日本アルプスの象徴的な山です。
明るくなった5:20頃に薬師岳山荘の前を通過。ここも新装開店の小屋です。まだ工事中の場所が残っていました。真っ直ぐの場所に見える山が薬師岳、、、なら楽勝なのですが本物の薬師岳はその奥の奥です。ただ、このピークまで登ると後はたいした上り下りはなくなるので此処までが勝負でした。
偽薬師に登り着く頃は山全体がガスの中、この日は朝から雲が湧き、今日は駄目かなぁと不安になりながら登りましたが、偽薬師から向こうはガスが晴れ、薬師峠側と対照的に晴れていました。薬師岳に登り着く頃までは薬師岳周辺にも少しガスが残っていてブロッケンなども何度となく出現しました。
夏の間は御神体が奉納されています。
雲ノ平側に詰まった雲海の向こうに槍ヶ岳。雲間に見える山々も綺麗です。
北東方面に連なる山々。
剣岳から、穂高まで縦走したのは遠い遠い昔。
日本海側も手にとるように良く見える。
ガスが晴れていく中でしばらく写真を撮った後、ピークを後にした。昨日歩いた雲ノ平側も完全に晴れ上がりよく見える。
8時頃にテント場まで帰り着いて、テントを撤収。太郎平小屋から来た時に一番入り口側のこの一叢の木のそばは薬師峠の中では一番良い場所かもしれない。管理小屋にも近く、水場やトイレにも近く、何よりも暑い午後には木陰が有る。このテント場には他に良い木陰の場所は無さそうに見えた。大きな石にも近く、日差しが強くなければ石の上でゴロゴロするのも良い。日差しが強いときには木陰にマットでも敷いてゴロゴロするのが最高だ。
9時ごろに太郎平小屋を後にして下山開始。
途中、何度か携帯電話のテストをしながら下る。私の携帯はやはりなかなか繋がらない。結局ちゃんと繋がったのは三角点に着いてからだった。足が結構疲れてきていて、下りはますます遅くなる。結局12時頃に折立に下山。折立には富山駅直行12:30のバスが停まっていた。結局は、湖畔をこのバスと、もう一台居たバスの2台の後をのんびりと走る事となった。まあ、神様に、「疲れている時にカットバ無いで、ゆっくり走れ」とご配慮頂いたのだろう。
折立から有峰林道を抜け、飛越トンネルを出た場所が北ノ俣岳への登山口になっている。春は飛騨側からこのトンネルの入り口まで歩き、登るようだ。この地域は春スキーには最高の場所ではないかと思う。ただし、ガスに巻かれたらルートを見失う危険性は非常に高いかもしれない。
遅い昼飯に山之村「天の夕顔 神岡」道の駅で蕎麦を食べたが、おいしい蕎麦だった。その後、いつもの「ヘルシーランド奥飛騨 タルマのゆ」に寄って汗を洗い流しスッキリし、しばらく休憩してから帰宅。
今回は無料化社会実験の道路を2箇所通ったので(250+750) x 2 = 2000円が無料になった。ETC割引も有るので飯代くらいは浮いたのかな。
まあ、無事に帰還。それなりに動けたのは嬉しい事です。多少足が疲れていますが、長い下りで、膝の故障が出なくて良かったです。ビデオでも色々撮ったのですがサイズがでかくなりすぎるので今回は無しにしました。
国土地理院ウェブサイト